第92章

秋山棠花はそれを聞いて、はっとした。

夏川峰はそこでようやく、自分が突然隣に座ってきたことが相手に不快感を与えかねないと気づき、慌てて謝罪した。

「すみません、つい興奮してしまって、思わずこちらに。他意も悪気もありません」

相手の態度は非常に真剣で、秋山棠花も度量の狭い人間ではないため、特に気に留めなかった。

ただ、彼の言葉が秋山棠花の注意を引いた。「先ほど何と? 何のデザイン画ですって?」

秋山棠花が怒っていないのを見て、夏川峰の心の中の好感度は倍増した。「実は先ほど、玲さんからすべて聞きました。彼女の衣装はすべてあなたのデザインだそうですね。秋山さんの才能とセンスは本...

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