第95章

青山風也が部屋を出てドアを閉めると、秋山棠花は再び手元の検査報告書に目を落とした。

一ページ、また一ページと捲っていくが、彼女が心配していたような問題は一つも見当たらない。

しかし、それらを目にしたことで彼女の顔は真っ赤に染まり、耳までじんわりと熱を帯びていた。

十数ページにも及ぶ報告書を一枚も飛ばさずに読み終えた秋山棠花は、最後には思い切りテーブルを叩きつけた。

彼女にはわかった。これは藤原光弘が、己の体の資本をわざわざ見せつけに来たのだと!

彼女が知りたかったのは、彼の体に本当に隠れた病があるかどうかだけ。持続時間や長さ、硬さが十分かどうかなんて誰が気にするものか…...

ログインして続きを読む