第114章 彼女の背後には必ず誰かがいる

江口若葉は突然、机を叩いた。感情が爆発したように肩を震わせ、目は真っ赤に充血し、こめかみには青筋が浮いている。

ガシャン、と手錠が鉄の輪にぶつかり、耳障りな音が面会室に響いた。看守が「ちゃんと座れ」と低い声で警告する。

「零が、あの人の本当の息子よ! 可愛がるべきは零なのに! なのにあの人は、あんたのあの雑種に全部の愛をやった! 零のことなんて、見ようともしない!」

若葉はなおも辻本雨妃を睨みつけたまま、金切り声を上げる。

「それに、あんた! 全部あんたのせい! あんたが立花時安をたぶらかさなきゃ、あの人が私にあんな冷たくするわけない! 立花奥さんの座を奪ったのもあんた! 私から全部...

ログインして続きを読む