第115章 親権争い

三日後。

浅井景辰の怪我はほぼ癒えており、あと一日入院すれば退院できる状態だった。

その日、彼はベッドに半身を起こし、江口准がさきほど届けてきた資料に目を通していた。

数枚めくっただけで、眉間の皺が深くなる。

――辻本雨妃がスイスで過ごした数年間の、詳細な生活記録。

離婚前、祖父が辻本雨妃にスイスの画廊を贈っていたらしい。だが彼女が渡航した当初は暮らしも厳しく、画廊の経営も思うようにいかず、ずっと赤字続きだった。

立花時安と再会したのは、透を産んだあと。だが出産したその年、彼女は画廊の立て直しに頭を抱え、生活費にも窮していたという。辻本明良は一円も渡さず、しかも彼女は浅井家を出る...

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