第117章 一度できた溝は、簡単には埋まらない

家に戻って間もなく、立花時安から電話が入った。父と母が、雨妃と透を立花本家の食事に招きたいのだという。

あのとき、立花おばさんと立花おじさんが自分と透に向けた態度を思い出すと、辻本雨妃の胸にはどうしても引っかかりが残った。

けれど、相手は年長者だ。そもそも当時、あの夫婦が間に入ってくれなければ、彼女は祖父と再会できていたかどうかも分からない。

立花家には、恩がある。

結局、雨妃は立花時安の誘いを受けた。

「午後5時半くらいに、透と一緒に本家へ伺います」

雨妃が承諾すると、立花時安は声を弾ませた。

「じゃあ、迎えに行く」

「大丈夫。私たちで行くから」

立花時安はわずかに肩を落...

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