第160章

笹川彦樹は一歩踏み込み、辻本雨妃のデスクへ勢いよく掌を叩きつけた。

「辻本雨妃、調子に乗るなよ」

声はわざと低く押し殺されているのに、滲むのは露骨な凶暴さだった。

「お前、自分が何様だと思ってんだ? 研究開発の腕がちょっと使えるから置いてやってるだけだ。じゃなきゃ誰がてめえみたいな女、相手にするかよ。外にはお前より若くて綺麗な女なんていくらでもいる。金を少し積めば、喜んで俺のところに這ってくるんだぞ。お前みたいなのが自分を特別扱いしてんじゃねえ。俺に目をかけてもらえるだけでも光栄だろ」

吐き捨てる言葉は下品で、聞くに堪えない。

だが雨妃は椅子にもたれたまま、眉ひとつ動かさない。怒る...

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