第165章

スープを二口ほど口にしたところで、辻本礼が期待に目を輝かせて覗き込んだ。

「どう? おばさんの味に、けっこう近い?」

辻本雨妃は眉をわずかに上げる。

「悪くない。でも……やっぱり、母の味とは違う」

はぁ、と礼が息を落とし、申し訳なさそうに俯いた。

「ごめん……」

「なんで謝るの?」

雨妃が首を傾げる。

礼は真っすぐに言った。

「君のことを思うと、どうしても罪悪感が湧くんだ。親父は君の家を奪ったみたいなもので……それに、あの頃の君への扱いもひどかった。あそこは本当は君の家なのに、君はずっと顔色をうかがって、食事ひとつだって親父と継母の機嫌を見ながらで……」

眉間に皺を寄せ、...

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