第43章 まさか私をからかうためじゃないだろうな!

彼が今日、立花グループを訪れたのは、たしかに提携の件が本題だった。だが、もうひとつの理由については、本人にもはっきり説明できなかった。

「わざと難癖をつけてる、って?」

浅井景辰は鼻で笑った。

「辻本さんも、ずいぶん自分を買ってるんだな。浅井グループと立花グループの提携は、数十億規模の半導体案件だ。君ひとりを困らせるために、そんな大きな話を弄ぶ必要が俺にあるとでも?」

辻本雨妃は表情ひとつ変えず、ひややかな声で返す。

「故意ではないとおっしゃるなら、日を改めてご連絡ください。立花社長は本当に外出中ですし、ここで時間を無駄になさる必要もありません」

その双眸をじっと見つめながら、浅...

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