第50章 彼女は本当に冷酷無情だなぁ

「雨妃……」

辻本明良は唇をぺろりと舐め、両手を擦り合わせながら立ち上がった。腰を折り、へりくだって彼女を見上げる。

「どう言ったって身内だろう。俺だって何年も辻本グループを回してきたんだ……頼む、叔父さんに生きる道を残してくれ」

「叔父さんの言う『生きる道』って、つまり仕事を残せってこと?」

辻本雨妃は腕を組んだまま、冷えきった声で返す。

辻本明良は何度も頷いた。

「そうだ、だから……」

「だから、ふさわしい仕事を用意してあげる」

雨妃は淡々と言う。

「たとえば警備部の部長とか。――それか、駐車場をまるごと任せる」

言い終えた瞬間、夫婦の顔色がさっと悪くなった。

「辻...

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