第62章 後先のことは考えたのか!

「あんた……」

林田唯は怒りで全身を震わせ、今にも言い返そうとした。その瞬間、オフィスのドアが勢いよく開く。

入口に立っていたのは浅井景辰だった。顔色は沈み、目の奥が冷たい。

「林田補佐」

林田唯の身体がびくりと固まる。振り向いて浅井景辰を見上げようとして、結局視線を落としたまま、声だけが震えた。

「浅井社長……」

いつ戻ってきたのか。どこまで聞かれていたのか。分からない。

けれど、相手はただの素性の知れない子どもだ。社長が子ども一人のために自分を責めるはずがない。なにしろ自分は立花グループで五年も働いてきたのだから――。

しかし浅井景辰は無言で中へ入り、氷のような視線を林田...

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