第69章 なぜ私たちの間に割り込むのか

辻本雨妃は顔を上げて彼を見つめ、ふっと笑った。

「ちゃんと向き合って。あなたがどう決めても、私は味方だから」

そう言い残すと、彼女はそっと手を引き抜き、背を向けて歩き出す。

立花時安はその場に立ち尽くし、遠ざかる背中を見送った。胸の奥が、じくじくと痛む。

――何を決めても支持する。

それはつまり、彼女の中で自分の存在が、引き留めたくなるほどでも、嫉妬してしまうほどでもないということだ。

まだ、彼女の心は自分に向いていない。だからあんなにも淡々としていられる。

時計を見ると、退勤時間はもうすぐだった。辻本雨妃はそのままタクシーを拾い、マンションへ戻った。

早い帰宅に気づいた長島...

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