第43章 月末に君と婚約する

藤原時の眼光は鋭く冷たかった。「婚約を冗談だと思っているのか?」

「いいえ、今度は本気だと誓います」藤原辰は三本の指を立てた。「この決断を祖父母に伝えれば、きっと賛成してくれるはずです」

藤原時の声には抑揚がなく、極めて冷淡だった。「彼女に釣り合わない」

藤原辰は肩をすくめた。「彼女の学歴が足りないのは知ってますし、田舎出身で礼儀作法も身についていない。でも名門淑女の養成所で少し鍛えれば、俺にふさわしくなりますよ」

藤原時は淡々とした口調で言った。「お前こそ彼女に釣り合わない。彼女に近づくな」

藤原辰は口元を引きつらせた。自分だって幼い頃から一流の教育を受けて育った人間だ。外見から...

ログインして続きを読む