第21章

夕食の食器がぶつかる音も次第に収まり、テーブルには食べ散らかされた跡と、拭い去れない重苦しい空気だけが残った。

結城時也が真っ先に立ち上がった。椅子の脚が床と擦れて耳障りな音を立てる。彼は誰にも目を向けず、まっすぐ二階へと向かっていった。

藤堂詩織はゆっくりとテーブルの上の皿を片付け始める。

部屋に戻ると、結城時也はすでに書斎机の前に座っており、ノートパソコンの画面の光が彼の顔を照らし、半分を明るく、半分を暗く染めていた。

結城時也は藤堂詩織が来たことに気づいていないかのように、相変わらず仕事に集中している。

藤堂詩織は何も言わず、着替えを手に取って浴室へと向かった。

温かいシャワ...

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