第22章

結城沙耶はどこか気が晴れなかった。昨日ママを怒らせたばかりなのに、また自分たちが問題を起こしたと知ったら、きっと悲しむだろう。

結城和は結城沙耶をちらりと見て、少し間を置いてから、きらきらと目を輝かせた。「気にすることないよ。そしたら白川おばさんに会えるし、一緒に遊んでもらえるんだよ!白川おばさんに会いたいんでしょ?」

結城沙耶はまだ少し心配だった。「でも……もしパパがUSBメモリを君が取ったって気づいたら、どうするの?」

「大丈夫だよ。ちゃんと隠してあるから」

結城和はランドセルをぽんと叩いた。「白川おばさんが来たら、こっそりUSBメモリを渡して、パパに届けてもらうんだ。そうすればパ...

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