第25章

レストランにはとっくに豪華な夕食が並べられ、クリスタルのシャンデリアの光が精巧な食器に降り注ぎ、きらびやかな輝きを放っていた。

白川詩帆は藤堂詩織の隣に座り、優雅な仕草で御隠居様に取り分けながら、何かを囁いては彼を大笑いさせている。向かいに座る結城の母は、時折白川詩帆に料理を取り分け、その眼差しには好意が隠しきれていない。

義姉の真奈美も話に加わり、白川詩帆の個展について話し始め、言葉の端々には敬服の色が滲んでいた。

「詩帆さん、前に会社にいた時から、すごくビジネスの才能があるとは思ってたけど、まさか絵まで描けるなんて。しかも個展まで開くことになったのね」

林真奈美はワイングラスを掲げ...

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