第71章

水宮雪音は相手の髪をつかむと、ぐいっと下へ引きずり下ろした。

きゃああっ――甲高い悲鳴が、教室中に響き渡る。

川中秀子は顔を真っ赤にして、水宮雪音の手首を必死に掴んだ。『離して!』

水宮雪音は一歩も引かない。声も硬い。『謝って』

それでも相手が動かないと見るや、水宮雪音はありったけの力を込めて、容赦なく一発蹴りを叩き込んだ。

川中秀子はそのまま床に膝をつき、うめき声を上げる。

傍で見ていた穹がぱっと目を輝かせた。『ママ、がんばれ! ママがいちばん! あいつの歯、全部落としちゃえ!』

悠人も、ママが本当に手を出すとは思っていなかった。――それだけ、相手がママを追い詰めたということ...

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