第12章 彼女は役立たずじゃない

テントが三つ、ようやく張り終わった。

杉浦杏奈は眉を寄せる。三つじゃ、どう割っても足りない。

脇に立っていた杉浦秀明が、何度か手を出そうとしては引っ込める。

「三つでも……詰めれば寝られるだろ」

杏奈は返事をせず、少し離れた場所に立つ、枯れた小さな木々へ視線をやった。

歩み寄り、太めの枝を素手で数本、ぼきりと折る。そのまま引きずってキャンプ地へ戻った。

秀明が訊く。

「何する気だ?」

それでも杏奈は答えない。

太い枝を砂地へ斜めに突き刺し、先端を寄せて縛る。円錐形の骨組みができる。

次に細い枝を折って横へ渡し、格子状に編み、最後に乾ききったヤシの葉をどさりと抱えてくる。何...

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