第22章 傷口

藤原智彦の額にはびっしりと冷や汗が浮かび、痛みのせいで今にも立っていられなくなりそうだった。

本当なら悪態の一つでも吐きたかった。だが、いまはまだ生配信中。どの機材の向こうにも十数万人の視聴者がいる。そう思えば、さすがに罵声は飲み込むしかない。結局、杉浦杏奈を憎々しげにひと睨みするのが精一杯だった。

杉浦美雪は口元を押さえ、ぽろぽろと涙をこぼした。いじらしく、守ってやりたくなるような泣き顔だ。

二秒ほど泣いたあと、ちらりとカメラを確認する。ドローンがきちんと撮っていると確かめてから、また涙をこぼし始めた。

「智彦、大丈夫? どうかお姉ちゃんを責めないで。きっと……わざとじゃなかったと...

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