第26章 封鎖

「秀明、お前、気でも狂ったのか? 杏奈のために、美雪を見捨てるつもりか?」

杉浦啓介は信じられないものを見るように、彼を睨みつけた。

この数年、杉浦秀明が杉浦美雪をどれほど大事にしてきたか。啓介はずっと見てきた。

家族みんなが、ようやく取り戻した娘に心を砕いてきたというのに、よりにもよって杉浦秀明は、偽物の杉浦杏奈の側に残るという。

「秀明、違約金なんて金の話だろ。最悪、俺が杉浦杏奈の分まで払ってやる」

杉浦啓介は彼の腕を掴もうと一歩踏み出した。だが、その瞬間、杉浦秀明は逆に一歩退き、杉浦杏奈の後ろへ回った。

何も言わない。

けれど、その行動だけで十分だった。彼の意思は、もうは...

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