第42章 蹂躙

杉浦杏奈はつま先立ちになり、唇を彼の耳元へ寄せた。

「灰原社長。いま必要なのは、私が条件を出すことじゃない。あなたに必要なのは――解放よ」

彼女の手がズボン越しに、灰原仁司の勃起したそれをくすぐるように揉み上げる。仁司の身体がびくりと強張った。

もう片方の手を上げ、押しのけようとする。だが最後には、杏奈の腰へ落ちて――そのまま抱き寄せ、胸の中へ押しつけた。

「お前――」

言わせない。杏奈はその唇を塞いだ。

指先が動き出す。布越しに、先から根元へ。根元からまた先へ。ゆっくり、ゆっくりと。

遅すぎて、わずかな擦れさえ十倍にも引き伸ばされたみたいに鮮明だった。

灰原仁司の呼吸が、完...

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