第44章 恥知らずめ

杉浦杏奈がトイレから出て、廊下の角を曲がった瞬間だった。

ぐいっと手首を掴まれ、そのまま廊下の突き当たりの陰へ引きずり込まれる。

覆いかぶさってきたのは、藤原智彦。

片手を彼女の耳元の壁につき、もう片方の手は手首を掴んだまま、指先で何度も肌をなぞってくる。

廊下の奥は薄暗く、頭上で非常口の緑のランプだけがぼんやり光っていた。そのせいで、彼の顔はまるで亡霊のように見える。

杉浦杏奈は背後の壁にもたれたまま、抵抗しなかった。ただ、眉を少し持ち上げて彼を見る。

藤原智彦はそんな彼女を見下ろし、視線を顔から鎖骨へ、鎖骨から胸元へとゆっくり滑らせた。

そこで止まる。

白い肌が、あからさ...

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