第47章 浮気現場を押さえる

目の前は、もう収拾がつかない。

中年の男は怒りで足元がふらつき、女は髪を引っ掴まれて引きずり出される。杖が、容赦なく何度も背中に叩きつけられていた。

一方の藤原智彦は、顔色を真っ青にして服を整えながら、撮影現場の人間を睨み回す。

いつもなら、たった一瞥で皆スマホを引っ込める。だが今日は違った。

法が万人を罰せないなら、怖いものはない。誰もがスマホを掲げて撮る。これ以上ない「数字」の匂いがするのだ。

杉浦杏奈は口元を押さえ、笑いを隠しきれないまま言った。

「灰原社長、あれ……社長の車ですよね?」

「黙れ」

灰原仁司は歯をギリ、と鳴らし、眼から火を噴きそうな形相で怒鳴る。

「永...

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