第123章疎遠

ウィリアムは昔から温厚で知られていたし、カークも彼のことが本当に気に入っている。だから当然のように現場へ顔を出し、監督と主演陣に朗らかに挨拶を交わした。

その隣に立つディオーネは、品のある佇まいで柔らかな微笑みを浮かべていた。だが、鋭い眼差しがデイヴィッドへと流れた瞬間、わずかに止まる。傷んだ唇の端に視線が留まり、そこには驚愕が満ちていた。

撮影の合間、ウィリアムはカークに呼ばれて脇へ連れていかれ、話し込むことになった。ディオーネは優雅に身を翻し、休憩用の椅子に一人座って台本を読んでいるデイヴィッドのもとへ歩み寄った。

「デイヴィッド」

穏やかな声で水のボトルを差し出しながら、視線だけ...

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