第162章:正しくない

リリーは一瞬、身動きもできずに固まった。それからゆっくりと首を横に振る。「わ……わたし、生活費を稼いで勉強にもついていくために、バイトをしなきゃならなくて。病院にお見舞いに行っても、いつも慌ただしくて……。先生たちは、積極的に治療している、状況は複雑だって、いつもそう言うの。ああいう説明、正直よく分からなくて……ただ、時間が必要だって」

彼女は言葉を切り、何かを思い出したように目を伏せた。「でも一度だけ、ナースステーションで看護師さん二人が、小声で『第三棟の患者さんはみんな代謝の問題があるみたい』って囁いてるのを聞いちゃって。そのとき、たまたま母は第三棟に入ってたの。怖くなって主治医に聞いた...

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