第17章嫉妬心

空気には澄みわたるような明晰さと、いつまでも尾を引く戯れめいたからかいが漂っていた。

リリーは、たったいま何が起きたのかを悟った瞬間、胸がどきりと跳ねた――あれはすべてレイラのための芝居で、しつこい求愛者を振り払うための、思いつきの即興演技だったのだ。

レイラの目には、二人が口づけしているように映ったに違いない。

だが、真実を知っているのはリリーだけだった。温かな息がこめかみと生え際をかすめ、すっと鼻に入る杉のさわやかな香りを運んでくる。形のいい薄い唇は、彼女の唇からほんの数ミリのところまで迫っていた……それでも、決して触れはしなかった。

触れられた感覚だけは否定できない。彼は昔、こん...

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