第172話メモリーズ

「わかった、そこに置いといて。あとで自分で見るから」

「ありがとうございます、ウィルソンさん」オリヴィアはすぐに小さく会釈し、ファイルから受領書の用紙とペンを滑らかに取り出した。一連の動きに一瞬の淀みもない。「確認のため、こちらにご署名をお願いいたします。更衣室は三九〇二号室です。明後日、チームがそちらでお待ちしております。ご案内いたしましょうか」

「いいわよ」ミアは走り書きで署名すると、苛立った調子のままペンと受領書をオリヴィアの手に押し戻した。「あんたはあんたの仕事して」

「承知いたしました。お休みのところ失礼いたしました。イベントのご成功をお祈りしております」オリヴィアは書類をしま...

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