第50話おなじみ

「ノア!」と、廊下の突き当たりから不安げな声が反響した。

幼稚園の担任、ジュニパー・フォックスが駆け寄ってくる。額には汗がぷつぷつと浮かんでいた。

「どこへ行ってたの? 一階のナースステーションで待っててって、言ったでしょう?」

ノアはうつむき、かすれた囁き声で言った。「ぼく……ちゃんと聞こえなくて……それで、ちがうほうに行っちゃった……」

ジュニパーはため息をつき、何か言いかけたが、すぐ近くにデイビッドが立っているのに気づいた。

彼女は反射的にノアを背中へかばい、サングラスをかけた身なりのいい男をじっと観察する。

「あなたは……?」ジュニパーは警戒しながら尋ねた。

デイビッドは...

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