第69章相手

ミアはデイヴィッドの冷えた態度など意に介さない様子で、魅力的な笑みを浮かべたまま彼の後ろをついていった。

「ねえ、どの役をやるの? 大変? 台詞合わせ、手伝おうか? 次の出番まで少し時間あるの」

その口調はへりくだりつつ、どこか敬慕とおべっかを混ぜたもので、それがかえって周囲の噂に油を注いだ。

近くにいた数人の記者やスタッフが意味ありげに目配せし、ひそひそと囁き合う。

「今の聞いた? デイヴィッドが来たの、ミアのためだよ。復縁したんだ!」

「デイヴィッドって、女優の現場に顔出さないって有名じゃない? ミアは特別ってことだろ」

「絶対、彼女目当てだよ。じゃなきゃ、あんな小さな役をデイ...

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