第71章セットを訪ねる

彼は言い終えると、携帯電話を取り出して少し脇へ退き、声を潜めてどこかへ電話をかけた。どうやら誰かに、新しい衣装を持って来るよう指示しているらしい。

リリーは、その背の高い硬い背中を見つめながら、胸騒ぎがいっそう強くなっていった。

今日の彼の振る舞いは、臨時のゲスト俳優がする範囲を明らかに逸脱している。

その頃、撮影現場は休憩に入っていた。

ミアは、デイヴィッドが庇うようにリリーを連れて離れていくのを見つめ、爪が掌に食い込みそうになる。

周囲のスタッフが時折向けてくる視線が、まるで針のむしろに座らされているような気分にさせた。

そこへ、洗練された装いに隙のないメイクを施した若い女が、...

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