第95章エクスポージャー

換気扇から差し込むかすかな光を頼りに、リリーは埃をかぶった床を慎重に探った。

しばらくして、携帯電話が置いたはずの場所にないことに気づく。もちろん、誘拐犯がそんな初歩的なミスをするはずがない。

胸の奥からせり上がってくる恐怖を必死に押し返し、深く息を吸って、自分に言い聞かせた。落ち着け。

狭苦しい空間を見回すと、視線は壊れた棚や投げ捨てられた部品の山に吸い寄せられた。

「出られる方法があるはず……」密室にやけにくっきり響く声で、彼女はつぶやいた。

リリーは部屋の隅々まで、順に確かめはじめた。

壁は頑丈なコンクリートで、鉄の扉は重い。弱点になりそうなのは、換気扇くらいだった。

近づ...

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