第14章 タクシーとカーレース大会?

菅田美波は表情ひとつ変えなかった。耳障りな嘲笑など、最初から存在しないかのように。

漆黒の瞳で石井庄助をまっすぐ見据え、単刀直入に言い放つ。

「あなたと勝負する。賭け金は――1000万」

その瞬間、場が凍った。

ほんの数秒の静寂ののち、さっき以上の爆笑が一斉に弾ける。

「今なんて? あの子が庄助さんと勝負だって?」

「何で勝つつもりだよ。シェアチャリでも持ってくる気か?」

「金に目がくらんだんだろ。自分のツラと体型、鏡で見てこいっての!」

石井庄助も、この世紀最大の冗談を聞いたみたいに肩を揺らした。背筋を伸ばし、菅田美波の周りをぐるりと一周してから、あからさまに鼻で笑う。

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