第18章 あなたたちは恋人同士?

同時刻――菅田美波と菅田承吾が立ち去ったばかりの路地の入口に、黒いセダンが音もなく滑り込んだ。

後部座席の窓が、すうっと降りる。覗いたのは、金縁眼鏡をかけた端正な顔立ちだった。

男は人気のない路地を一瞥し、ついでスマホへ目を落とす。さっき途切れたばかりの通信ログ。眉間に深い皺が寄った。

――

翌日、学校に戻ると「峠道カリスマレーサー」の噂が小さく広まり始めていた。とはいえ主役はタクシーと、名も知られていない太った女子。大半は「妙な作り話」と笑って済ませている。

菅田美波は気にも留めない。机に突っ伏し、目を閉じて呼吸を整えていた。

昨夜の無茶な走りと小競り合いは、この弱い器を容赦な...

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