第32章 再び騒動になる

原野勇斗は、指先で回していたペンの動きをぴたりと止めた。脳裏に、あの日――一瞬だけ目に焼き付いた光景が閃く。

学校でのあの騒動のあと、たしかに彼は見たのだ。菅田美波が、ただ者ではない気配を纏った中年の男を校門まで見送っていた。横顔が、ニュースで見る青木正博市長にどこか似ていた。

――やっぱり、気のせいじゃなかった。

思考を整理する暇もなく、委員長が外から駆け戻ってきて、教室に爆弾を落とす。

「みんな! うちの学校に新しい校長先生が来たって! しかも突然! T市から直で異動だってさ!」

その瞬間、教室がどっと沸いた。

「T市!? マジかよ、うちの学校どこまで化けるんだ……」

「分...

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