第33章 骨折

ボディガード二人が視線を交わし、すぐに察した。左右に分かれ、露骨に険しい顔のまま菅田美波へじりじりと詰め寄る。

手練れ特有の殺気。素人にはまず纏えない、あの重い気配だ。

加藤浩史は顔色を変え、両腕を広げて必死に菅田美波を庇った。

「来るな!」

――だが次の瞬間、手首がきゅっと締まり、巧みに引かれた。

気づけば浩史は、あっさり菅田美波の背後へ回されていた。

菅田美波が一歩前へ出る。自分より頭ひとつ高い屈強な男二人を、たった一人で受け止める位置へ。

「……死にたいの?」

吐き捨てるような声は小さい。なのに極北の寒風みたいに、骨の髄へ刺さった。

言い終える前に、彼女の身体が消えた...

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