第49章 皮肉っぽい物言い

菅田拓海の妻の菅田芳美はそれを聞くと、ますます口元がゆるんだ。

「いやぁ……お兄さんのところに比べたら、まだまだよ」

そんな和気あいあいとした持ち上げ合いの輪の中へ、菅田英樹が家族を連れて入ってきた。

リビングの笑い声が、ぴたりと一瞬だけ止まる。――が、次の瞬間には何事もなかったかのように再開された。

主催者である菅田宗岡は、彼らをちらりと見ただけ。挨拶もなく、そのまま完全に無視を決め込む。

ほかの親戚も同じだ。視界の端にすら入れたくないと言わんばかりに、それぞれ勝手にしゃべり続ける。菅田英樹一家など、そこにいないも同然。透明な空気が三つ、増えただけ。

その露骨な扱いに、英樹の顔...

ログインして続きを読む