第9章 全員、私の指揮に従え

加藤邦彦は、モニターに映る短い――だが悪意に満ちたメールと、受取人欄にくっきり刻まれた「ブラッド・シャーク」という送金記録を見つめたまま、頭の中がぶんぶんと鳴った。

林田製薬。ブラッド・シャーク。

その二つの名が、氷の刃みたいに胸へ突き立つ。

単なる企業データの盗難――そう思っていた。

だが、裏にあったのは、予想を遥かに超える泥沼だ。

「通報だ! 今すぐ警察を呼べ!」

邦彦は我に返るなり、額の血管を浮かせて技術監督へ怒鳴りつけた。

「証拠は全部まとめろ! 一文字たりとも落とすな! 丸ごと警察に渡すんだ!」

技術監督とIT担当たちは、弾かれたように動いた。菅田美波が追跡して突き...

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