第5章

「悠介、言ったでしょ。こういう高慢ちきなクズに理屈は通じないって」

 加美恵の吐き気を催すような声が、ベッドの傍らから聞こえた。

 私は目を固く閉じ、胃の腑がひっくり返りそうな感覚を必死に堪えながら、呼吸を平らに保った。

「母さん、さすがだね」

 悠介の声には、病的な興奮が入り混じっていた。

「さっさとやりな!」

 加美恵が乱暴にスマホスタンドをいじり、カメラのレンズを私の寝ている大きなベッドへ真っ直ぐに向けた。

「このクズをたっぷり躾けてやりな! 一部始終を録画するんだよ!」

 加美恵の声は、舌を出す毒蛇のようだ。

「この動画さえあれば、あとはうちの子を身籠もらせるだけで...

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