第164章

高橋玲と桜が入り口に着いた時、運び込みはまだ終わっていなかった。

「高橋さん、どうしてこちらへ? 危ないですから離れていてください。ぶつかったら大変です」

小田は彼女が来たのを見て、騒音で迷惑をかけたのかと思い、慌てて彼女を制止しようとした。

「小田さん、子供部屋はもう片付いたんじゃなかったの?」

高橋玲は怪訝な声を出し、無意識に傍らの藤原時夜に視線を走らせた。

この男、何を企んでいるの。

今日の午前中に子供部屋が欲しいとは言ったけれど、こんなに早く準備できるなんて期待していなかった。

小田は額の脂汗を拭った。藤原家に長く仕える彼には、今回、藤原時夜が戻ってきた理由が一目で分か...

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