第171章

オフィスフロアは、その怒鳴り声に一瞬で静まり返った。

田中重栖は荒い息を吐きながら、誰よりも取り乱していた。

最初のチーム分けのとき、率先して煽ったのは他でもない自分だ。佐藤花子は藤原時夜の女に違いない――そう踏んで、全てを賭けた。

ところが蓋を開けてみれば、その佐藤専務のやり口はどんどん常軌を逸していき、組ごと空回りさせられた挙句、今や競合に叩き出される始末。

その佐藤花子が、今まさにここから消えた。

では、自分たち一派はこれからどこへ行けばいいのか。

「おや、ずいぶんと賑やかじゃない」

次の瞬間、澄んだ女の声が飛び込んできて、一同の思考を断ち切った。

会議室から高橋玲が歩...

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