第184章

高橋玲の考えなら、鈴木柊がそれを支持するのは自然なことだった。

だが高橋玲のほうは、少なからず躊躇いを覚えていた。果たして自分が出かけられるのか、確信が持てないのだ。

今夜の一件さえなければ、彼女の身は自由だったはずだ。

だが、もし藤原時夜が狂気を爆発させ、また彼女を監禁しようとしたらどうなるか。

そうなれば、隙を見て塀を乗り越えるしかなくなるではないか。

そう考えると、高橋玲は自身の下腹部をそっと撫で、低い声で呟いた。

「本当に塀を越えることになったら、大人しくしていなさいよ」

言葉にして初めて、高橋玲は我に返った。自分がこの胎児を、本当に「我が子」として認識していることに気...

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