第187章

「来たか……」

佐藤海は長い沈黙を破り、ひどくしゃがれた声でそう漏らした。たったそれだけの言葉を発しただけで、彼は激しい咳の発作に襲われる。

重苦しい金属音と共に、独房の鉄扉が開かれた。二人の刑務官が左右から彼を挟み、外へ出るよう促す。

彼はうなだれ、背を丸め、従順に独房を後にした。

本来なら面会には専用の部屋が使われるはずだが、なぜか今回、佐藤海が連行されたのは取調室だった。

被疑者の心理的防壁を崩すために設計されたその部屋は、薄暗く湿っぽい。両手は机上の金具に手錠で固定され、尻の下の椅子も冷たく硬いものだった。

やがて強烈なスポットライトが点灯し、佐藤海はたまらず目を細めた。...

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