第198章

高橋玲は肩をすくめ、やれやれといった表情を浮かべた。

「先に手を出したのはそっちよ。私、他人に触られるの嫌いなの」

そう言いながら彼女は川崎星にじりじりと歩み寄る。相手が怯えて二歩後ずさるのもお構いなしに、彼女は続けた。

「接(つ)いでやるって言ってるの」

「失せろ! どさくさに紛れてもっと酷いことするつもりだろ!?」

川崎星は嫌悪感を露わにし、腕を押さえながら中村韓の懐へと縮こまる。

「嫌ならいいわ、帰るから」

高橋玲はそれを見ると、これ以上関わるのも面倒だとばかりに踵を返した。

「待て」

中村韓が呼び止める。彼は険しい表情で高橋玲の背中に向かって言った。

「彼女の手を...

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