第21章 争い

高橋玲は彼の笑いに背筋が寒くなったが、それでも勇敢に睨み返した。

「何を笑っているの?」

藤原時夜は身をかがめて高橋玲と目線を合わせた。

その顔は見つめるのも憚れるほど端正だった。

しかし口から出る言葉は極めて皮肉に満ちていた。

「後悔したって?当時おばあちゃんの前で『時夜お兄ちゃんと結婚します、絶対に幸せになります』と言ったのは誰だ?」

「協定書にサインした後、それを守らず、何度も俺を誘惑しようとしたのは誰だ?」

「忠告を聞かず、露出の多い服を着て、俺の重要な会議を邪魔して、一億の契約を台無しにしたのは誰だ?」

彼の言葉は一つ一つが痛烈で、元の持ち主がやらかした愚行をすべて...

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