第211章

「虹の家」が常に平穏で調和に満ちていたわけではない。かつては影となる暗い側面も存在したが、それでも確実に、多くの子供たちを育て上げてきた場所だ。

「曇子さん、ビジネスで少し小銭が入ったの。施設に寄付しようと思って。専門の人に管理させるから、曇子さんも少しは楽になるはずよ」

高橋玲は食事を終えると、特に避ける様子もなく、食卓で堂々とそう切り出した。

曇子さんは朝のうちに桜からその話を聞いており、玲が自ら口にしたことを素直に喜んだ。ひとしきり感謝を述べた後、申し訳なさそうにこう付け加える。

「玲、若いのに稼ぐのは大変でしょう。無理はしないで。子供たちは食べて着られれば十分なんだから」

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