第225章

足立卓夫はその言葉を聞いて、合点がいった。

明らかに惚れているくせに、まだ強がっている。

偽善者め!

人を好きになるのは、決して相手に何か長所があるからではない。相手が卑劣な人間だと分かっていても、それを受け入れ、愛し続けることができるからだ。

高橋玲はこれまで、藤原時夜に嫌われるようなことを数え切れないほどしてきた。だが今、彼はそれを綺麗さっぱり忘れ、すっかり彼女に夢中になっているではないか。

ただ残念なのは、この親友がビジネス界を意のままに操ることはできても、自身の感情と正面から向き合えないことだ。いつか必ず、後悔する日が来るだろう。

足立卓夫も酒を一口飲み、藤原時夜をちらり...

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