第265章

生温かく湿った舌が口腔の粘膜を這い回り、鼻腔はウッディな香りに満たされ、彼女の頭はくらくらと眩暈を起こした。下唇は吸われて少し麻痺している。男の鼓動は早鐘のように打ち、息遣いも次第に荒くなっていた。

才能がある? ああ、俺の感情を弄ぶことに関しては確かに天才的だ。

ゲームもそう、感情もそう。

死ぬほど愛していると言っていたのに、今はもう好きじゃないと平気でのたまう。

好きじゃないならそれでもいい、再び俺を愛するようになるまで閉じ込めておくだけだ。

「っ……」

高橋は小さく悲鳴を上げた。彼に唇を噛まれたのだ。

血は出なかったが、男は鬱憤を晴らすかのように噛みついた後、そのまま含ん...

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