第269章

一階では小田が不在なのをいいことに、使用人たちが集まって声を潜め、噂話に花を咲かせていた。

事の発端は今朝のこと。部屋の掃除を担当する使用人が、高橋玲の部屋のドアが大きく開いているのを朝早くに見つけた。てっきり彼女がすでに起きているのだと思い、掃除に入ったのだ。

ところが、そこにあったのはひどく乱れたベッド。男女の服がひとまとめに脱ぎ捨てられ、あろうことか、そこには怪しげな白い痕跡まで残されていた。

ここで何が行われたのか、あまりにも明白だった。

使用人は途端に顔を真っ赤にし、そそくさと部屋の片付けを済ませると、すぐにこの一件を他の者たちに触れ回ったのだ。

「まさか。藤原社長は高橋...

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