第41章

会社から帰宅した高橋玲は、心がすっきりした気分だった。

佐藤花子が障害になると思っていたのに、予想外だった。

自分が罠を仕掛ける必要もなく、佐藤花子は自ら望み通りに動いてくれた。

あとは三ヶ月後の結果を待つだけだ。

高橋玲は一息つくと、この良い知らせを鈴木弁護士に伝えた。

鈴木弁護士からの返信は三十分後にようやく届いた。

【鈴木柊】「桜が、ご馳走を作って帰りを待っているよ。一緒にお祝いしよう」

高橋玲はそのメッセージを見て、胸の内が温かくなった。

返信しようとした瞬間、運転手が急ブレーキをかけたことで中断された。

後部座席で安全ベルトをしていなかった彼女は、前の座席に体をぶ...

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