第46章

翌日の朝、鈴木弁護士と桜はそれぞれ二百万円の振込を受け取った。

送金者が高橋玲だと分かり、二人とも目が覚めているのか疑うほどだった。

桜は画面に並ぶゼロの数を数えながら、声まで震えていた。

「お、お嬢様?これ、本当に私に?」

高橋玲は鈴木弁護士に綿川恵美を送り出したところで、桜のその様子を見た。

思わず可笑しくなり、わざとからかってみる。

「どうしたの?要らないの?要らないなら返してもらおうか」

「要ります!要ります!ありがとうございます、お嬢様!私、絶対に頑張って、お嬢様のことをしっかりお世話します!」

桜は興奮して携帯を両手で握りしめ、目が細くなるほど笑っていた。

高橋...

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