第73章 ママを探しに行きたい

「これから何かあったら、俺に直接じゃなくて岩崎おばさんに連絡すればいい。あの人が口を開いてくれたなら、たいていのことは話が早い」

大原泰介がさらりと言い放ったその一言は、岩崎家にこれ以上ない箔をつけた。

さっきまで遠巻きに様子をうかがっていた連中も、完全に気持ちが折れたのが分かる。――もう二度と、岩崎家に無礼な真似はできない。

岩崎蘭子は感極まったように目尻を赤くして、何度も頭を下げた。

そもそも彼女が大原家との縁談にこだわったのは、大原家の庇護を得たかったからだ。まさか大原晴樹が五年かけても成し得なかったことを、大原泰介が来た途端にあっさり片づけてしまうとは。

杏璃もまた、泰介が...

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